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美容室集客 基礎編


この記事の内容

集客とは

「集客」ときいて、皆さんはどういったことを連想するでしょうか?

商品やサービスを売るために、新しいお客様を集めること。

もしかすると、そんなイメージがあるかもしれません。そして、たしかにそういう側面があるのも事実です。

どれだけ良い商品やサービスであっても、それをお客様に知ってもらえなければ意味がありませんし、逆に、効果的な集客ができればそれは売上の向上に繋がります。

ただ、本質的な意味で「集客」を捉えるとき、もう少し踏み込んで考える必要があります。

客数とは何か。まずはそのことを以下の式で分解してみます。

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客数 = 新規顧客 + 既存顧客 − 流出顧客

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つまり、集客といっても、新しくお客様を集めることはその一つの側面に過ぎず、他にも既存顧客や流出顧客のことを考慮しなければならないということです。

具体例を使ってお話ししましょう。

Aさんは20代の女性で、この秋に都心部に引っ越してきたばかりです。

前まで通っていた美容院は自宅から遠く、この機会に新しい美容院を探すことにしました。

そこで、仕事の休憩時間中にスマートフォンで調べていると、『○○美容室』というお店が気になりました。外観と内装もおしゃれで、価格も良心的。自宅からの距離も近かったので、一度行ってみることにしました。

ネットで予約を済ませて、迎えた当日。

スタッフの対応も良く、店長に対応してもらった仕上がりも満足のいくものでした。

それから1ヶ月後、Aさんは髪が伸びてきたことが気になり、美容院に行こうと思いました。そこで、前に行ったのはどこだったかなと考えますが、なかなか思い出せません。結局、あらためて調べて、今度は『美容室○○』というお店を見つけ、そこに行くことにしました。その後、Aさんはそのお店のリピーターとなりました。

極端な例ではありますが、こういったことも起こりえるのです。

新規顧客を獲得することができても、そのままにするのではなく、一度来られたお客様が再来店してくれるような仕組みを整えておく必要があります。

次章以降では、それぞれの顧客ごとの具体的なアプローチについてお伝えしていきます。

新規顧客

どの業界でもそうですが、新しいお客様を獲得していかなければ、長期的な視点で見たとき事業を続けていくことが難しくなります。

特に開業したばかりであればなおさら、その重要性は高いでしょう。

その集客ですが、世の中には様々な方法があります。

具体的には、

・ポスティング

・DM

・広告

・Webサイト

・ポータルサイト

・看板

・紹介

・セミナー

・展示会 

などです。

「金額も抑えられるから、まずはチラシを始めてみよう」

「他の美容室も掲載しているし、ホットペッパーで決まりかな」

こうした決め方は費用対効果の面から効果的とはいえません。

なぜなら、どういった層にどうアピールしていきたいかが不明確だからです。

そこでおすすめなのが『ペルソナ』を設定することです。

ペルソナを設定する

『ペルソナ』とは、商品やサービスを利用する典型的な人物像のことです。

『ペルソナ』を考えることは、どんな人があなたのお店の商品やサービスを求めているかを考えることでもあります。

現在利用している方にきいてみても良いでしょう。

強みはどこにあるのかを把握することは、それを届けるべきターゲットを明確にすることに役立ちます。

そして、ペルソナ設定において重要なのが、セグメンテーションです。

セグメンテーションは、マーケティングにおける有名なフレームワークである『STP分析』に出てくる、顧客層を分けるための概念ですが、それには4つの切り口があります。

・デモグラフィック(人口統計学的属性)

年齢、性別、学歴、職業、年収、家族構成など

・ジオグラフィック(地理学的属性)

住んでいる地域、その地域の気候など

・サイコグラフィック(心理学的属性)

趣味、興味、関心、信念、ライフスタイル、休日の過ごし方

・ビヘイビアル(行動学的属性)

利用頻度、利用用途、利用のタイミング、利用履歴、行動範囲

大勢の人に向けたメッセージを送ると、どうしてもぼんやりとしてしまいますが、一人のお客様を想定することで「これは私に対するメッセージだ」と感じてもらうことができる。それが、ペルソナの魅力です。

 

アプローチ方法を見極める

ペルソナが設定できたら、次はアプローチです。

ここで代表的なものが、ポータルサイトへの掲載です。

ポータルサイトとは、インターネット上のさまざまなページにアクセスするための入り口となるWebサイトのことを指します。

特に、美容院であれば、ホットペッパービューティーは知名度が高く、集客力があります。20~30代の女性の閲覧が多い点も魅力的でしょう。

ただ一方で、掲載料金は高め。加えて、他にも多くの美容院が掲載されているため、掲載順位が高くなければ、かけたコストに対する効果が期待できない可能性があります。

その点、比較的気軽に始められるのが、Googleマイビジネスです。こちらは無料でアカウント作成をすることができます。

また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も効果的です。

中でもInstagramは写真を使った訴求が可能なので、実際にカットする前と後の写真をビフォア・アフターとして載せるなど、工夫次第でお店の魅力をPRすることができます。

いずれのアプローチも一定期間様子をみたうえで効果を検証することが大切です。

そして、効果的ではないとなれば『ペルソナ』を見直したり、他に最適なアプローチはないかを模索して試してみるのです。

そして、もし仮に上手くアピールできれば、潜在顧客が見込み顧客となり、見込み客が実顧客になるという流れを作ることができます。

ここでいう「潜在顧客」とは、まだ自社の商品やサービスを知らないお客様で、「見込み顧客」とは自社の商品やサービスを知ってはいるものの購入や利用には至っていないお客様のことです。

 

既存顧客

続いて、既存顧客向けのアプローチについてお伝えします。

1対5の法則

既存顧客は商品やサービスを利用・購入してくれたお客様ですし、大切にするのはもちろんですが、実は費用対効果の面から見てもそのお客様に注力することが重要なのです。

ベイン・アンド・カンパニー社のフレデリック・F・ライクヘルド氏が提唱されたと言われている『1対5の法則』では次のように述べられています。

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・1対5の法則

新規顧客を獲得するためにかかるコストは、既存顧客を維持するためにかかるコストの5倍である。

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つまり、コストの面からいうと、まずは既存顧客から優先的に取り組むべきといえます。

商品やサービスを知らないお客様は言ってみれば接点のない相手。その点、一度でも接点があればこちらからのアプローチは可能になるという意味では労力は違ってきます。

 

リピーター施策が肝心

リピーター施策をお伝えする前に、店舗づくりの重要性についてお伝えしましょう。

美容院であれば、来店されたお客様がまず最初に触れるもの、それはあなたの店舗であり、スタッフさんであり、店長さんやオーナーさんです。

笑顔での丁寧な接客や気遣い、見送りの挨拶などを意識することです。

また、お客様はどんな髪型にしてもらえるのかきっと楽しみにしているはずです。

そこで期待を超えるサービスを受ければ、次も来ようとなりますし、逆にどこかに引っかかりがあると、次回の来店をためらうことになるでしょう。

では、具体的なリピーター施策としては、どういったものがあるでしょうか。

ここではLINE公式アカウント(旧LINE@)を

言わずと知れたコミュニケーションアプリである「LINE」の企業版が、「LINE公式アカウント(旧LINE@)」です。

こちらのアカウントを店舗様専用で作成して、お客様には来店時にQRコードで友だち追加してもらいます。

・次回予約のやりとりをする

・キャンペーンやクーポンについての情報を発信する

・ショップカードを作る

・お客様からの問い合わせに対応する

以上のような取り組みによって、お客様にも店舗の存在を印象づけることができますし、信頼関係を構築することができます。

また美容室様であれば、POSシステムを導入していて、そちらで顧客管理をしているところも多いのではないでしょうか。それぞれのお客様ごとにパーソナライズされた対応ができれば、顧客の満足度を上げることができます。

リピーター施策の結果として、1回来店されたお客様が3回、4回と来店するようになれば優良顧客(リピーター)になります。

また、ロイヤルカスタマーになる方もいます。ロイヤルカスタマーとは、お店の商品やサービスに愛着を持っている顧客のことで、優良顧客とは必ずしも一致しません。

この顧客は、あなたのお店を繰り返し利用してくれるうえ、他に乗り換えたりもせず、第三者にあなたのお店を紹介してくれるような重要な存在です。

リピーター施策においては、優良顧客やロイヤルカスタマーを増やしていくことが最終的なゴールになります。

流出顧客を少なくするために

以前は見かけたお客様を最近見かけなくなった、そんな経験はありませんか?

この場合、お店のサービスに対して不満があったというよりも、ただ忘れているだけということも考えられます。

お客様全員が全員リピーターになるのは考えにくいですが、アクションをしなかったがために、他店に流れてしまったとしたらもったいないですよね。

そのお客様が今後も他店を利用することになれば、長期的な目線でみたときにも大きな損失になります。

前述のライクヘルド氏は『5:25の法則』も提唱したとされています。

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5:25の法則

顧客離れを5%改善したなら、利益が最低でも25%改善される。

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顧客離反を防ぐことは利益の改善に繋がるということです。

そのため、新しいお客様を獲得することと同様に、注力する必要があります。

先述したLINE公式アカウントでキャンペーンを定期的に配信することで接点を持ち、思い出してもらうことも1つの方法です。期間が空いている場合には、それが休眠顧客(過去に商品を利用したことがあるが現在は利用していない顧客)に対する有効なアプローチにもなります。

まとめ

今回は、集客とは何か、具体的にどう考えていくのが効果的かについてお伝えしてきました。

お客様に高いサービスを提供したり、スタッフの育成に力を入れることで、店舗の魅力を高めていく日々の努力は必要です。

そして、その魅力を伝えるための手段として「集客」があるのです。

※記事の内容は弊社で内容を保証するものではありません。
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