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美容室開業・経営を始める前に知っておくべきこと


美容室の開業・経営をしたいという方は多くいらっしゃいます。しかし、美容室経営を始めても数年でサロンを閉める方が多いのが現状です。

そうならないためにも、美容室経営を始める前に知っておくべきことはなんなのでしょうか?

この記事の内容

美容室経営でうまく行く美容室はごく僅か

まず、知っておきたいのが開業しても利益が出せず閉業に追い込まれる美容室が多いことです。
なぜ、閉業に追い込まれるかというと集客できないからです。美容室年々増え続けている状況です。美容室が年々増えているそれに顧客人口が減少している状況に置いて美容室1店あたりの顧客数は自ずと減ります。そのため、美容室経営は年々厳しさを増しています。

美容師の給与が低めという業界の特徴もあり、独立志向が強いという特徴があります。
美容室は美容師免許を持つことによって参入しやすい市場のため、独立という形で開業される方が多くいらっしゃいます。
この参入障壁の低さが市場内の競争激化という形で弱小美容室の経営を悪化させています。

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・ Binerva 美容室の【平均閉店年数】が悲惨なことに。廃業しない為に必要な○○とはhttp://binerva.com/2018/05/02/%E7%BE%8E%E5%AE%B9%E5%AE%A4%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%E9%96%89%E5%BA%97%E5%B9%B4%E6%95%B0%EF%BC%81%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%82%BA%E3%81%AB%E2%97%8B%E2%97%8B%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AB/

美容室経営において小規模美容室は不利

小規模店(1人サロンや2人サロン)で出店予定の方は、最初から不利な立場に置かれがちです。
媒体への掲載費やホームページ、ポスレジなどは、従業員数ではなく1店舗当たりの料金がほとんどです。
結果として、美容師一人当たりのコスト(固定費用)が高くなってしまいます。
コストが高いことは集客できなければすぐに経営状況を悪化させやすい悪い経営体質になってしまいます。
また、大規模店は広告費が比較的多いため一般的には小規模店よりも知名度高く集客能力でも大規模店に負ける場合がほとんどです。


関連記事↓
経営に困った時の相談相手についての記事です。
・第4節 小規模事業者の経営課題と相談相手 – 中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/h26/html/b3_1_4.html

小規模美容院が美容室経営で勝つ方法

小規模店を出店するなら、特化型の美容室をオススメします。
得意な分野を見つけ特化することで、他店に負けない領域を作ることができます。この領域で勝負すれば、勝ちやすい(顧客獲得しやすい)ため集客できると考えられます。

例としては、ヘアカラーとダメージケアに特化した美容室があります。ヘアカラー後に髪の毛は痛んでしまいます。そうならないために、ダメージケアをしっかりとやりヘアカラーしたいけど髪を傷ませたくないというお客様にご来店いただけます。

この場合は、もちろん打ち出し方は傷まないヘアカラーで打ち出します。
インスタグラムやホームページにはカラー後のお客様の髪を掲載して痛んでないけどカラーできている写真をお客様に確認いただけるようにします。

このようにすることで、ヘアカラーしたいけど髪を傷ませたくない人は来店してくれるようになります。

ここで気をつけたいのは、特化すると言っても他のことをやらない訳ではないということです。カットや縮毛矯正のメニューも置いたうえで特化することが必要です。理由としてはカラーだけだと利便性が悪いからです。
カラーだけだと、傷まなカラーしたいけど複数店舗に行くのはめんどくさいなと思われる場合が多いと考えられます。
特化してもお客様の利便性を落とさないメニュー構成にしましょう。

このように得意な領域を持つことにより、お客様を集めやすくなります。
このようや戦い方をランチェスター戦略と言います。
マンチェスター戦略の記事もいつか書きますのでお楽しみに。


関連記事↓
・競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」とは
http://www.sengoku.biz/old/lan.htm

美容室経営の注意点、値下げしても時間単価は下げてはいけない

小規模美容室でよくあるのが価格を下げて集客しようとしていることです。
競合が多い中で集客できないのであれば、苦渋の選択として価格を下げることもありです。

しかし、ここで知っておきたいことは、格安美容室が上手く経営できている理由です。
格安美容室がなぜ潰れないかというと、価格は落としても時間単価は落としていないからです。
よく2,000円台の美容室がありますが、4,000円の美容室がやっていることを2,000円でやってしまうと必ず潰れます。1時間で2,000円だと利益が出ないからです。

では、どうしたら良いかというと時間を半分にすれば良いのです。
4,000円の美容室が1時間で施術するなら、2,000円の美容室は30分で施術すれば良いのです。こうすれば時間当たりの売上高は4,000円のお店と同じになります。

QBハウス1,000円理髪店の時間単価は高い。QBハウスという理髪店をご存知でしょうか?QBハウスは1,000円という超格安な料金を設定して営業している理髪店です。なぜ潰れないかというと、施術時間が10分だからです。10分だと1時間に6人カットできる計算です。6人カットすれば時間当たりの売上高は6,000円になります。4,000円の美容室よりも時間当たり売上は高くなります。

このように、価格を下げるのであれば施術時間を短くすることで高価格帯の美容室と同じかまたは集客数が増えるので高価格帯の美容室(美容院)よりも売上が高くなる可能性があります。

一度価格を下げてしまうと、低価格美容室のイメージがついてしまうため高価格な美容室には戻りにくくなります。しかし、経営戦略としては生き残ることが重要ですので、競合が多く全然集客できていない場合はこのような低価格戦略を取るのもありです。

関連記事↓
・GLOBIS 知見録 QBハウスは「1000円」カットでなくても利用価値はあるのか?
https://globis.jp/article/6629

美容室経営の注意点、高価格美容室はクーポン集客をしてはいけない

高価格店がホットペッパーなどの掲載サイトに店を載せてクーポン利用で集客するのはオススメしません。

この掲載サイトのクーポン頼りの経営は、掲載費用やクーポンの割引代また客がリピートしてくれないため等の問題があるため利益を圧迫し弱い経営体質になってしまいます。競合店が増えたら必ず潰れてしまいます。

ホットペッパーの客層として、低価格またはお得なクーポン狙いのお客様が多くいらっしゃいます。このようなお客様はクーポン価格後の通常料金になった時にリピートしてくれない傾向があります。
ここで気をつけたいのはクーポンが悪いと言っているのではなく、完全にクーポン目当てで来るお客様を積極的に集客するのはやめたほうが良いと言いたいのです。

理由は、リピートしてくれないからです。リピートしてくれるお客様への集客コストって新規集客でかかるコストよりかなり低いです。1年以上定期的に来てくれているお客様なら集客コストはほぼゼロになっていますよね。
美容院にとって集客コストは大きな負担になりサロン経営を悪化させる原因の1つになりかねません。
だから美容室経営にとってリピーターを作ることってとても大切なんです。

ちなみに開業直後であれば、お試しキャンペーンとしてクーポンを配ったり割引してお客様を呼ぶ施策は知名度をあげるためにも絶対にやったほうが良いです。
でも、ずっとクーポンに頼る手法はやめたほうが良いです。

関連記事↓

・サロン集客が面白いほどわかるブログ サロン集客に困ってクーポンサイトを利用する前に
https://sosisoaisalon.d8-salonsupport.com/salon-coupon/

美容室経営では、価格ではなく費用対効果を見よ

あるあるですが、美容室経営において何に対しても価格の安さで決めることは絶対にやめましょう。

よくあるのが価格を聞いただけで断るケースです。もし価格は高いけど費用対効果も高い商品であれば確実に損しています。このように価格だけに騙されないようにすることが必要です。
開業に価格だけで全てを決めると、開業資金を抑えるために、家賃が安い場所、安い内装、安いホームページ、みたいになんでも安くしてしまうと、美容室自体がサロンのお客様からも安い美容室だなと思われるようになります。

高価な商品には必ず理由があります。もちろん極まれに高価でも微妙なサービスもあります。ここは、良し悪しを見分ける目が必要です。しかし、ほとんどの場合は高価な場合良いサービスを提供していることがほとんです。

安い美容室にならないためにも、価格ありきではなく費用対効果をみて判断するようにしましょう。

費用対効果とは、その商品の価格に対して効果がいくらあったかということです。
1万円で10人集客するのと、2000円で1人しか集客できないのでは、1万円で10人集客できたほうが費用対効果は高いと言えます。
1万円 / 10人 = 1人当たり1,000円の費用
2000円 / 1人 = 1人あたり2,000円の費用
このように、一見すると1万円の方が高く見えますが、費用対効果としては1人あたり集客の値段が2,000円になる低価格商品2,000円の方が高くなります。


例えば、ホームページを作る時
価格重視で考えると、初期費用無料で月々数千円という超安いホームページも存在しています。

しかし、この安いホームページを作ったけどホームページからお客様が来なかったり、そもそもアクセスされなかったらホームページを意味ないですよね。
数千円に対する費用対効果は0です。

それよりも初期費用20万円、月々数千円かかるけど毎月10名ホームページから集客できているほうが費用対効果は高いです。
長く使い続ければ1人あたりの費用は低く抑えられます。
また、お客様がリピートしてくれれば施術1回あたりの集客コストを500円以下にすることだってできます。


家賃や、内装についても同じ話です。
人通りが多いところは家賃が高くなりますが、通りかかり客が入店してくれる効果があります。また、内装については入店後の印象がおしゃれな美容室となりリピート率が高まったり良い口コミが広まったりします。

このように、価格に惑わされずにしっかりと費用に見合った商品なのか?という本質的な部分を見るようにしましょう。

美容室経営で失敗しないためには?

まず、経営において100%失敗しない方法はありません。
しかし、いろんな準備をして失敗する確率を減らすことはできます。

経営においてはあのソフトバンクの孫さんでさえも複数の事業に失敗しています。
ただ、会社の経営体力があるので潰れていないだけです。

美容室を一から開業して失敗するとほぼ確実に潰れてしまいます。
失敗するとは資金がなくなることです。

では、失敗しないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

美容室経営失敗の原因はこれ

美容室経営に失敗する理由の多くは集客に関する問題です。
美容室の数が異常に多くどの地域も競合店で溢れています。
そのうえ、ほとんどの地域が人口減少の問題を抱えており美容室集客は益々厳しさを増しています。

美容室を開業したがお客様が来ないという例もたくさんあります。
ホットペッパーに掲載したらお客様が来るという訳でもありません。実際に、ホットペッパーに掲載したがなかなかお客様が集まらない店を多くみてきました。

美容室開業後に集客に困らないためには開業前から集客しておくことが大切です。
実際に、以前在籍していた店に来てくれていたお客様が新たに開店してからも来てくれて集客に困っていない美容室がありました。
このように、その美容師にお客様が付いている状態を作っておくと集客に困らなくなります。
このお客様にプラスして新規集客ができると集客は完璧な状態になります。

美容室経営失敗する人の特徴

美容室経営に失敗する人の特徴は準備をしていない人です。

まず、経営で重要なのは収支です。収支は売上と費用のバランスのことです。
開店資金や運営資金と売上のバランスが極端に悪ければすぐに潰れてしまいます。
美容室経営を始める前に、開業資金を確保するためにした借金の返済、月々の家賃、光熱費・水道料金、スタイリングに使う薬剤、人を雇うならスタイリストの給料などの費用がどのくらい発生して、売上がいくらないと黒字にならないなどのシミュレーションをすると良いでしょう。
すると、月々何人集客して客単価がどのくらい必要なのかが分かるようになります。

集客に対する準備も重要です。
開業する前から集客に取り組まなければなりません。
開業してから集客を始めると、借金返済や家賃は毎月支出されるのに売上がないというもったいない状況を生み出してしまいます。
そのため、開業前から集客をしておくことが重要です。
在籍している店で美容師個人についてくるお客様を作っておくことも重要ですし、また、ブログやインスタグラムなどをフォローしてくれるお客様を増やしておくと良いと思います。

美容室経営失敗しても大丈夫だったりします

起業の世界で言われていることですが、借金作っても自己破産すれば問題なしです。命までは奪われません。
借金作って失敗しても自己破産制度によって借金の返済義務をなくすことができます。

私の知り合いの経営者も億単位の借金を抱えていましたが、失敗したら自己破産したらいいだけじゃんととても気楽でいらっしゃいました。災厄どうなるのかが分かっていれば怖いイメージはなくなります。

ただし、ギャンブルなどで多額の借金を作ってしまった場合には自己破産できないので注意が必要です。

自己破産って大変なイメージがありますが、実際にはカードが作れなくなったり、一部職業(弁護士や司法書士、公認会計士など)に付けなくなるだけです。普通の仕事であれば自己破産しても大抵の職につくことが可能です。また、復権の手続きを取ればそれらの職に付く事も可能です。

クレジットカードについては5年〜10年は記録が残るため作れません。しかし、デビットカードなら作れます。デビットカードとは購入後即座に銀行口座から引き落としされるカードです。デビットカードがあればネット通販もできるのでクレジットカードがなくても生活に支障が出ることはないと思われます。

しかし、美容室経営に失敗したくないという方は店長を経験しよう

どうしても美容室経営に失敗したくない人におすすめなのは、店長を任せてもらうことではないでしょうか。
店長を任せられる場合でもいろんなパターンがあると思いますが、集客から人事採用まで全て任せてもらえる店長で経験を積めば美容室経営で失敗するリスクが減ります。

というのも、店長はその店舗の経営者な訳です。売上が上がるように集客したり、リピーターを増やすために美容師を教育したりと独立後にかなり役立つ経験をすることができます。失敗しても自分が金銭的な責任を負わなくて良いので独立することに比べればリスクなく美容室経営を経験することができます。

このことからわかるように、一度美容室の店長を任せてもらって、美容室経営の経験をすれば美容室開業後の経営失敗の確率は下がるので店長を任せてもらえそうな機会があれば率先して店長をやるようにしましょう。

美容室経営に経営の勉強は必要?

正直言って、美容室経営に一般的な経営の勉強はそこまで必要ないと思います。
例えば、「経営戦略」の本があったとして、その本を読んでも基本的には美容室経営にかなり役立つということはありません。というのも、経営戦略の本に書かれていることは、事業ポートフォリオの話だったりします。これは、複数の事業を持ってどの事業により力を入れるかという話です。これって、美容室経営する時には、複数の事業を持つ訳ではないので全く使えない知識です。なので一般的な美容室の本を読む必要はないと思います。

では、どのような勉強をすれば良いのでしょうか?
それは、「美容室経営」の勉強をするべきだと言えます。
美容室経営の勉強とは、美容室経営について書かれた本を読むことです。美容室経営の本なら具体的に美容室が何をやるべきかが書かれています。集客の話やリピーターの話など、すぐに使える知識で溢れています。なので、まずはこの美容室経営の本を買ってきて何回も読むことから始めると良いでしょう。私も美容室経営の本を読みますが、かなり使える内容が多いという印象です。それにわかりやすく書かれているという印象がありました。したがって、まずは美容室経営の本を買って勉強しましょう。

美容室経営始めるなら経営者と友達になっておくのもおすすめ

美容室経営を始めるにあたって、経営の悩みが増えてくると思います。そう言った悩みは上司がいないなかで自分自身で解決しなければなりません。そうなった時に、相談相手がいるのはとても心強いです。できれば、美容室経営者の先輩がいれば良いのですが、美容室経営者の先輩がいないくても経営者の先輩や友達がいれば心強いと思います。

また、仲の良い経営者を作っておくとどうしても困った時にお金を貸してくれる事もあるかもしれません。また、お客様を紹介してくれたりします。なので、経営者の友達を作っておくのはとてもおすすめです。商工会議所や経営者の勉強会に参加すると自然と友達を作れます。

美容室経営したいならやってみたら良いのではないでしょうか?

美容室独立したいけど、失敗するのが怖いという方も多いと思います。
しかし、やらなくて後悔するよりもやって後悔した方が私的にはスッキリすると思います。
人生一度なので、やりたいならやったら良いのではないでしょうか?失敗しても再チャレンジする事もできますし、全力で頑張ったという経験は人生にとって必ずプラスになります。したがって、やりたいのならやった方が良いと思います。

やるなら若いうちにやった方が良いです。なぜなら、若い方がリカバリが聞くからです。もちろん経験を積んでからチャレンジする事もできますが、歳をとると結婚したり子供ができたりして自由に動けなくなります。そのため、何も持っていない若いうちにチャレンジした方が身軽で良いと思います。

まとめ

美容室経営には、経営の知識が必要です。
美容師としての技能が高くても経営の考え方ができなければ店は潰れてしまいます。
なぜ他店との競争に勝てるのか、買った時の財務状況はどうか?など多角的な視点から、美容室経営を始めるべきかをぜひ判断してください。